多言語出版という実験

最初から海外展開を考えていたわけではありませんでした。

英語版を出そう。

スペイン語版を出そう。

そんな計画があったわけではありません。

私の目的は、

まず日本語で出版することでした。

出版したら何が起こるのかを観測することでした。

ところが出版後、

新しい疑問が生まれました。

この内容は、

海外でも通用するのだろうか。

目次

翻訳ではなく観測だった

最初は単純な興味でした。

もし英語にしたらどうなるのか。

もしスペイン語にしたらどうなるのか。

ですが考えているうちに、

あることに気付きました。

私がやりたいのは翻訳ではない。

観測なのだと。

英語圏の読者はどう感じるのか。

スペイン語圏の読者はどう感じるのか。

同じ内容でも、

文化が違えば受け取り方も変わるかもしれません。

それを知りたくなりました。

AIが可能性を広げた

正直に言うと、

AIがなければやらなかったと思います。

英語もスペイン語も得意ではありません。

以前なら、

海外出版は現実的な選択肢ではありませんでした。

ですがAIを使うことで、

挑戦のハードルは大きく下がりました。

もちろん簡単ではありません。

確認も必要です。

修正も必要です。

それでも、

以前なら不可能だと思っていたことが、

試せるようになりました。

読者は誰なのか

多言語出版を始めてから、

考えるようになったことがあります。

読者とは誰なのか。

私は日本人です。

日本で暮らしています。

だから日本人向けに書いているつもりでした。

しかし、

転職への不安。

将来への迷い。

AI時代への戸惑い。

そうした感情は、

国が違っても存在するのではないか。

そんな仮説を持つようになりました。

出版より面白かったこと

意外だったのは、

出版そのものより、

仕組みを作る方が面白くなってきたことです。

どうすれば別の言語へ届けられるのか。

どうすれば価値を失わずに伝えられるのか。

どうすれば再現できるのか。

気付けば私は、

本を書くだけでなく、

本を届ける仕組みそのものを観測し始めていました。

売れるかどうかは分からない

もちろん、

多言語出版が成功するかどうかは分かりません。

売れるかもしれません。

売れないかもしれません。

誰にも読まれない可能性もあります。

ですが、

それは最初の出版の時と同じです。

観測してみなければ分かりません。

だからやってみることにしました。

思っていた以上に楽しかった

振り返ると、

多言語出版は予想以上に楽しい実験でした。

結果が出たからではありません。

新しい問いが生まれたからです。

海外の読者は何に反応するのか。

文化を越えて伝わるものは何か。

AIはどこまで支援できるのか。

観測対象が一気に広がりました。

出版から価値再流通へ

最近は、

出版という言葉だけでは足りない気がしています。

私がやっているのは、

価値を別の場所へ届ける実験なのかもしれません。

言語を越える。

文化を越える。

媒体を越える。

そうした試みを続けている感覚があります。

おわりに

多言語出版という実験。

それは海外で売りたいという話ではありませんでした。

観測を続けていたら、

次の観測対象が海外になったという話です。

日本語で出版したら何が起こるのか。

英語で出版したら何が起こるのか。

スペイン語で出版したら何が起こるのか。

まだ答えはありません。

だから観測を続けています。

そして気付けば、

出版そのものよりも、

価値がどこまで届くのかの方が気になっています。


この記事は

48歳、出版する

シリーズの第5話です。

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