転職活動を始めた理由は、最初はとても単純でした。
今の仕事を変えたい。
介護職からIT業界へ戻りたい。
新しい働き方を探したい。
そう考えて、求人票を見るようになりました。
ですが、しばらく転職活動を続けているうちに、少し違うことに気付きました。
仕事を変えようとしていたはずなのに、先に変わり始めていたのは自分自身だったのです。
最初は仕事の問題だと思っていた
転職活動を始めた頃、私は環境を変えたいと思っていました。
仕事内容。
勤務形態。
収入。
将来性。
体力的に続けられるかどうか。
もちろん、それらは大事な要素です。
実際、今の働き方をこのまま続けていけるのかという不安もありました。だからこそ、介護職を離れて、もう一度IT業界へ戻ることを考えるようになりました。
最初は、仕事を変えれば何かが変わると思っていました。
環境が変われば、不安も減る。
職種が変われば、将来の見え方も変わる。
働き方が変われば、自分の気持ちも変わる。
そう考えていたのだと思います。
ですが、実際に求人票を読み、案件の条件を見て、面談の準備をしていくと、単に仕事を選ぶだけでは済まないことが分かってきました。
求人を探しているはずなのに、自分を見ていた
求人票を見ているはずなのに、気付けば自分のことを考えていました。
自分は何が得意なのか。
どんな仕事なら続けられそうなのか。
どこまでなら無理なく働けるのか。
何を強みとして伝えられるのか。
これから何を大切にしたいのか。
若い頃の転職活動では、もっと条件を中心に見ていた気がします。
勤務地。
給与。
仕事内容。
会社の規模。
将来性。
もちろん、今でも条件は大事です。
ただ、40代後半になって転職活動をしていると、条件だけでは判断できないことが増えました。
収入が高くても、自分に合わない働き方なら続かないかもしれません。
仕事内容が近くても、自分の役割が曖昧なら苦しくなるかもしれません。
条件が悪くなくても、面談で違和感を覚えることもあります。
求人を探しているつもりが、実際には自分の価値観を確認していたのだと思います。
AIとの対話で、自分の言葉が整理された
転職活動では、AIにもかなり相談しました。
職務経歴書を整理する。
面談で聞かれそうな質問を考える。
IT業界を離れた理由を言葉にする。
介護職の経験をどう説明するか考える。
PMOやQAの経験を、今の転職活動にどうつなげるか整理する。
最初は、転職活動の作業を効率化するために使っていました。
ですが、続けているうちに、単なる作業ではなくなっていきました。
AIに相談しているようで、実際には自分自身の考えを整理していたのです。
不安。
期待。
迷い。
後悔。
挑戦したい気持ち。
そうしたものを言葉にしていくうちに、自分が何に引っかかっているのか、少しずつ見えるようになりました。
転職活動は、職場を探す作業であると同時に、自分の言葉を作り直す作業でもあったのだと思います。
出版も、自分を見るきっかけだった
Kindle出版も似ていました。
最初は、本を出すことが目的でした。
ですが、実際に進めてみると、考えることは売上だけではありませんでした。
何を書くのか。
なぜ書くのか。
誰に届けたいのか。
自分は何を記録したいのか。
どんな言葉なら、自分の経験を無理なく伝えられるのか。
出版によって変わったのは、結果だけではありません。
むしろ、自分の見方が変わったように思います。
自分の経験を文章にすることで、過去の出来事が少し整理されました。転職活動も、介護職の経験も、AIとの対話も、別々の出来事ではなく、一つの流れとして見えるようになってきました。
出版もまた、自分自身を見直すきっかけだったのだと思います。
変わったのは、考え方だった
転職活動を始める前の私は、どこかに答えがあると思っていました。
正しい仕事。
正しい選択。
正しい将来。
正しい働き方。
それを見つければ、不安が減ると思っていました。
ですが最近は、少し考え方が変わってきました。
答えを急いで探すより、今の自分に何が起きているのかを見た方がいいのではないか。
そう思うようになりました。
求人票を見て、なぜ引っかかったのか。
面談後に、なぜ疲れたのか。
ある案件に惹かれた理由は何なのか。
逆に、条件が良くても乗り気になれなかったのはなぜなのか。
そうした小さな反応を見ていくことで、自分の価値観が少しずつ見えてきました。
転職活動は、外側の環境を変えるための行動です。
でも同時に、内側の考え方も変えていくものなのだと感じています。
48歳でも、まだ変わる
若い頃は、人は年齢を重ねるほど完成に近づくものだと思っていました。
考え方も固まり、得意なことも決まり、選択肢もだんだん狭くなっていく。
そんなイメージがありました。
でも実際には、48歳になっても変わることはあります。
考え方も変わります。
価値観も変わります。
挑戦したいことも変わります。
過去の経験の見え方も変わります。
これは、自分でも少し意外でした。
もちろん、若い頃のように何でもできるとは思っていません。
体力の変化もあります。
年齢の壁もあります。
ブランクもあります。
それでも、変われないわけではありません。
むしろ、年齢を重ねたからこそ、自分の変化に気付きやすくなった部分もあるのかもしれません。
転職活動で最初に得たもの
転職活動が成功したかどうかは、まだ分かりません。
転職先が決まったわけではありません。
将来がはっきり見えたわけでもありません。
すべての不安が消えたわけでもありません。
まだ途中です。
ですが、一つだけ言えることがあります。
転職活動を始めたことで、自分自身を見直す機会を得ました。
何が不安なのか。
何を大切にしたいのか。
どんな働き方なら続けられるのか。
自分の経験をどう意味づけるのか。
それを考える時間が増えました。
その意味では、転職活動はすでに何かを変え始めているのだと思います。
おわりに
転職活動を始めた時、私は仕事を変えようとしていました。
ですが今振り返ると、先に変わり始めていたのは自分だったように思います。
求人票を見る目が変わりました。
自分の経験の捉え方が変わりました。
AIとの向き合い方も変わりました。
出版やブログを書く意味も少し変わりました。
転職先はまだ決まっていません。
将来もまだ見えていません。
それでも、以前より少しだけ自分のことが分かるようになった気がします。
そしてその変化こそが、今回の転職活動で最初に得た成果だったのかもしれません。

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