職務経歴書を書いていて、一番困ったのは経験が足りないことではありませんでした。
自分が何をしてきた人なのかを、一言で説明できなかったことです。
IT業界で働いていた経験はあります。
PMOに近い仕事もしてきました。
介護職として働いた期間もあります。
一つひとつは説明できます。
でも、それらを一枚の職務経歴書としてまとめようとすると、思っていた以上に難しく感じました。
若い頃なら、やってきた仕事をそのまま並べればよかったのかもしれません。
ですが40代後半で転職活動をしていると、職務経歴書はただの経歴一覧ではなくなります。
自分が何者なのかを、相手に短い時間で伝える資料になるからです。
経歴はあるのに、説明しにくい
私にはIT業界で働いていた経験があります。
PMOに近い仕事もしてきました。
進捗管理、課題管理、資料作成、関係者との調整、運用まわりの確認。
そうした仕事をしてきた経験はあります。
ただ、それを職務経歴書に書こうとすると、急に難しくなります。
なぜなら、自分の仕事は成果が数字で見えにくいものが多かったからです。
売上を何%伸ばした。
開発を何件完了させた。
新規サービスを立ち上げた。
そういう分かりやすい実績ではありません。
会議のために情報を整理した。課題を追いかけた。関係者に確認した。資料を整えた。進捗が止まらないように支えた。
こうした仕事は、現場では必要でも、職務経歴書に書くと地味に見えます。
地味な仕事を、どう価値に変えるか
職務経歴書で難しいのは、地味な仕事を派手に見せることではありません。
むしろ、無理に派手に見せようとすると違和感が出ます。
大事なのは、その地味な仕事が何に役立っていたのかを説明することだと思いました。
たとえば、単に「資料作成」と書くだけでは弱い。
何のための資料だったのか。誰が見る資料だったのか。意思決定に使われたのか。会議の進行に必要だったのか。課題整理のためだったのか。
そこまで書かないと、自分が何をしていたのか伝わりません。
同じように、「進捗管理」と書くだけでも足りません。
どの範囲の進捗を見ていたのか。遅れをどう拾っていたのか。誰に共有していたのか。どんな会議体で使われていたのか。
そうした背景があって初めて、仕事の意味が見えてきます。
PMO経験は書き方で印象が変わる
PMOという仕事は、職務経歴書で書きやすいようで、実は書きにくい仕事だと思います。
言葉としては便利です。
PMO、進捗管理、課題管理、会議運営、資料作成。
しかしそれだけを書くと、かなり一般的な内容になります。
他の人の経歴書にも、似たような言葉が並んでいるはずです。
だから、自分がどの立ち位置だったのかを入れる必要があります。
PMの補佐だったのか。
ユーザー側に近かったのか。
ベンダー側に近かったのか。
現場運用に近かったのか。
テストや受入に関わっていたのか。
ここを曖昧にすると、職務経歴書を読んだ相手も判断しにくくなります。
私の場合は、PMそのものではなく、PMの近くで情報を整理し、現場の進行を支える側だった。
そこを無理に大きく見せず、でも小さく見せすぎずに書く必要があると感じました。
介護職の期間をどう書くか
もう一つ難しいのが、介護職の期間です。
IT業界から一度離れて、介護職を経験した。
この経歴をどう書くかは悩みました。
ITとは関係ないから短く書くべきなのか。
それとも、働いていた事実としてきちんと書くべきなのか。
最初は、介護職の期間がマイナスに見えるのではないかと思っていました。
ですが今は、隠すより整理して書いた方がいいと思っています。
もちろん、介護経験をIT経験のように見せることはできません。それは違います。
ただ、人と関わる仕事をしていたこと。状況を見ながら対応していたこと。夜勤や現場対応を経験したこと。
そうした部分は、働き方や人との関わり方として意味があります。
職務経歴書では、そこを大きく書きすぎず、でも空白のように扱わない。
このバランスが難しいと感じました。
できることと、できないことを書く勇気
転職活動では、できることを多く見せたくなります。
少しでも通過率を上げたい。
少しでも良く見られたい。
そう思うのは自然です。
ですが40代後半で転職活動をしていると、できないことを曖昧にしたまま進む怖さもあります。
プログラミングが得意ではない。
技術の深い設計を一人で担うタイプではない。
大規模プロジェクトのPMとして最終責任を持っていたわけではない。
こうしたことを隠して、何でもできるように見せると、面談では一時的に良く見えるかもしれません。
でも実際に入った後に苦しくなる可能性があります。
だから職務経歴書では、できることを明確にしながら、できないことまで無理にできるように見せないことも大事だと思いました。
書きながら自分の現在地が見える
職務経歴書を作る作業は、ただの書類作成ではありませんでした。
書きながら、自分の現在地が見えてきます。
自分は何をしてきたのか。
どこが説明しやすいのか。
どこで言葉に詰まるのか。
何を実績として語れるのか。
どこが曖昧なまま残っているのか。
職務経歴書を書いているつもりだったのに、実際には自分を観測していました。
特に40代後半になると、経歴はそれなりに長くなります。
その分、ただ並べるだけでは伝わりません。
何を残し、何を強調し、何を短くするのか。
そこに自分の考え方が出ます。
職務経歴書は完成しない
転職活動を始める前は、職務経歴書は一度完成させれば終わりだと思っていました。
ですが実際には、何度も直すものだと分かりました。
案件を見るたびに、少し修正したくなります。
面談を受けるたびに、説明しにくかった部分が見えてきます。
エージェントと話すたびに、伝わりにくいところが分かります。
つまり職務経歴書は、完成品というより、転職活動の中で育っていく資料なのだと思います。
最初から完璧に作る必要はありません。
ただ、動きながら修正していく必要はあります。
そう感じています。
おわりに
40代後半の転職で、職務経歴書が難しかった理由。
それは、経歴を書くことではなく、自分の立ち位置を言葉にすることの難しさでした。
PMではない。
技術者として前面に出るタイプでもない。
でも、PMの近くで情報を整理し、現場を前に進める仕事はしてきた。
介護職を経験した期間もある。
その経験をどう意味づけるか。
できることをどう伝えるか。
できないことをどう無理に隠さないか。
職務経歴書は、ただ過去を書く書類ではありません。
これから自分がどこで働けるのかを探るための、現在地の地図のようなものだと思いました。
まだ転職活動は途中です。
職務経歴書も、たぶんまだ完成していません。
ですが、書き直すたびに、自分の輪郭は少しずつ見えてきている気がします。
この記事は
「48歳、転職市場へ戻る」
シリーズの追加記事です。
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