「課題です。」
プロジェクトでは当たり前に聞く言葉です。
でも実際には、課題は最初から「課題」という名前で現れるわけではありません。
違和感、小さな遅れ、曖昧な担当者。
そうした小さなズレが、後になって大きな課題になることがあります。
最近は、課題管理とは表を更新する仕事ではなく、課題になる前の兆候を見つける仕事なのだと思うようになりました。
今回は、PMO案件を見ながら感じた「課題管理という仕事の難しさ」について書いてみます。
課題は、最初から課題として見えていない
課題管理で難しいと思うのは、課題が最初からきれいな形で出てくるわけではないことです。
「これは課題です」と誰かが分かりやすく出してくれるなら、一覧にして管理することはできます。
ですが実際には、課題になる前の違和感や不安のようなものがあります。
少し遅れている。担当が曖昧になっている。誰かが確認すると思っている。決まったように見えて、実は決まっていない。会議では流れたけれど、後で問題になりそう。
そういうものが、あとから課題として大きくなることがあります。
つまり課題管理は、出てきた課題を表に入れるだけではなく、課題になりそうなものを見つける仕事でもあるのだと思います。
課題管理表は、ただの一覧ではない
課題管理表というと、ExcelやBacklogのようなツールに課題を並べるイメージがあります。
タイトル、内容、担当者、期限、ステータス、優先度、対応状況。こうした項目を入れていく。それ自体は分かりやすいです。
ただ、表に入れたからといって、課題が解決するわけではありません。
課題管理表は、課題を解決するための入口であって、解決そのものではない。
ここを勘違いすると、表だけがきれいになって、現場は何も進んでいないということになりそうです。
課題管理表は、誰が見ても、今何が止まっていて、誰が何をすれば進むのかが分かる必要があります。そう考えると、課題管理表を更新する仕事は、単なる入力作業ではないのだと思います。
課題の書き方で、動きやすさが変わる
課題管理で大事なのは、課題の書き方だと思います。
たとえば、「確認が必要」とだけ書いてあっても、何を確認するのか分かりません。
誰に確認するのか。何を決めたいのか。いつまでに必要なのか。確認できないと何に影響するのか。そこまで書かれていないと、担当者も動きにくいはずです。
逆に、課題の内容が整理されていると、次に何をすればいいのかが見えます。
課題管理は、問題をただ記録することではなく、次の行動に変換する仕事なのかもしれません。
ここがとても難しいところです。
担当者と期限を書くだけでは足りない
課題管理表には、担当者と期限を書くことが多いと思います。
ですが最近、それだけでは足りないのではないかと感じています。
担当者が書かれていても、その人が本当に対応できる状態なのか。期限が書かれていても、その期限は現実的なのか。そもそもその人だけで判断できる課題なのか。
上位者の決定が必要なのか。別チームの回答待ちなのか。顧客確認が必要なのか。
こうした背景まで見ないと、表の上では管理されていても、実際には止まっている可能性があります。
課題管理は、担当者と期限を埋めることではなく、本当に前に進む状態になっているかを見ることなのだと思います。
課題は放置されると重くなる
課題は、早いうちに見えていれば小さいことがあります。
少し確認すれば済む。会議で一つ決めれば進む。担当を決めれば動き出す。そういう段階なら、まだ扱いやすいかもしれません。
ですが放置されると、課題は重くなります。
関係者が増える。影響範囲が広がる。期限が迫る。誰の責任か分かりにくくなる。あとから対応しようとすると、かなり大変になります。
課題管理で大事なのは、大きな問題になってから拾うことではなく、小さな違和感の段階で見える形にすることなのかもしれません。
小さいうちに拾えれば、少ない力で前に進む。放置すれば、あとから何倍もの調整が必要になる。そこに課題管理の重さがある気がします。
課題管理には人間関係も関わる
課題管理というと、システム的な管理のように見えます。
表を作る。ステータスを見る。期限を追う。
しかし実際には、かなり人間関係が関わる仕事だと思います。
期限を過ぎている人に確認する。対応が止まっている理由を聞く。別チームに依頼する。顧客に判断をお願いする。PMにエスカレーションする。
これらは全部、人と人とのやり取りです。
強く言いすぎると関係が悪くなる。弱すぎると課題が進まない。どのタイミングで誰に確認するか。どの言い方なら相手が動きやすいか。どこまで待って、どこからエスカレーションするか。
課題管理は、表の管理であると同時に、人の動きの管理でもあるのだと思います。
優先度を見極めるのも難しい
課題管理では、すべての課題を同じ重さで扱うわけにはいきません。
すぐに対応すべきもの。少し待てるもの。影響が大きいもの。影響は小さいが放置すると危ないもの。判断が必要なもの。単なる確認で済むもの。
これらを見分ける必要があります。
ですが、これは簡単ではありません。技術的な理解が必要な場合もあります。業務影響を知らないと判断できない場合もあります。プロジェクト全体のスケジュールを見ないと、重さが分からない場合もあります。
だからPMOとして課題管理をするには、ただ表を見るだけでは足りないのだと思います。
全体の流れの中で、その課題がどこに影響するのかを見る必要があります。
課題管理は、強みにも課題にもなる
これまでの経歴を振り返ると、私は情報を整理したり、状況を一覧にしたり、会議や資料のために材料をまとめたりする仕事に関わってきました。
その意味では、課題管理に近い仕事はしてきたと思います。
ただ、転職活動を通じてPMO案件を見ていると、それだけで十分とは言えないとも感じます。
課題を見つける力。課題を言葉にする力。担当者に確認する力。期限を追う力。優先度を見極める力。必要な時にエスカレーションする力。
こうした力が必要です。
自分にとって課題管理は、経験を活かせる可能性がある領域でありながら、同時にもっと鍛えなければいけない領域でもあるのだと思います。
課題管理は、観測に近い
最近思うのは、課題管理は観測に近いということです。
何が止まっているのか。どこで詰まっているのか。誰が困っているのか。何が決まっていないのか。何を放置すると危ないのか。
そうしたものを観測して、言葉にして、表にして、次の行動につなげる。
これは単なる管理ではなく、現場の状態を見える形に変換する仕事です。
この感覚は、今自分がブログでやっていることにも少し似ています。起きたことを観測する。感じた違和感を言葉にする。あとから見返せる形に残す。
もちろんブログとPMOの課題管理は違います。
それでも、見えにくいものを見える形にするという点では、少しつながっている気がします。
おわりに
課題管理という仕事の難しさは、課題管理表を更新することだけではありませんでした。
課題になりそうなものを見つけること。課題を次の行動に変換すること。担当者や期限が現実的かを見ること。止まっている理由を確認すること。必要ならエスカレーションすること。そして、現場で何が起きているのかを見える形にすること。
課題管理は地味な仕事に見えます。
ですが、この仕事が機能しないと、プロジェクトの中で小さな詰まりが積み重なっていきます。
PMO案件を見ている今、課題管理という言葉を以前より重く受け止めるようになりました。
転職活動はまだ途中です。PMOとしてどこまで通用するのかも、まだ分かりません。
ただ、課題管理を単なる表の更新として見ないこと。
これは今後PMO案件を見るうえで、大事な視点になりそうです。
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シリーズの追加記事です。
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