PMO案件を見ていると、自分の立ち位置について考えることが増えました。PMOと一口に言っても、求められる役割はかなり広いです。プロジェクト全体を管理するPMOもあれば、PMの近くで資料作成や課題整理を支えるPMOもあります。顧客折衝が中心の案件もあれば、会議運営や進捗確認が中心の案件もあります。
転職活動を始めた頃は、PMOという言葉をもう少し大きく見ていたかもしれません。PMOなら自分にもできる部分があるのではないか。過去の経験と近いのではないか。そう感じていました。ですが案件を見続け、面談で自分の経歴を説明しようとする中で、少しずつ分かってきたことがあります。
私はPMそのものではなく、PMOの中でも「PMO補佐」に近い立ち位置なのではないか、ということです。
PMではないことを認める
まず大事なのは、自分はPMではないと認めることでした。PMはプロジェクト全体の責任を持つ立場です。方針を決め、要員やスケジュールを管理し、顧客や上位層と調整し、最終的にプロジェクトを前に進める責任を負います。
私はこれまで、PMの近くで仕事をした経験はあります。進捗や課題を整理したこともあります。会議資料を作ったこともあります。関係者との調整に関わったこともあります。ただ、それはPMとして全体責任を持っていたというより、PMを支える側の仕事でした。
ここを曖昧にしてしまうと、面談でも職務経歴書でも自分の説明がぶれます。PM経験があるように見せようとすると、実際に深掘りされた時に苦しくなるはずです。48歳で転職活動をしている今、自分を必要以上に大きく見せるより、どの立ち位置なら現実的に力を出せるのかを見た方がいいと思うようになりました。
技術者として前面に立つわけでもない
もう一つ認めなければいけないのは、自分は技術者として前面に立つタイプでもないということです。プログラミングを主担当としてやってきたわけではありません。インフラ設計や高度な構築を一人で担えるわけでもありません。最新技術を深く追いかけてきたタイプでもありません。
IT業界にいた経験はありますが、技術そのもので勝負する人ではない。この点を誤魔化すと、やはり入った後に苦しくなります。特にフリーランス案件や業務委託案件では、即戦力として見られる可能性があります。できないことをできるように見せて入るのは、自分にとっても現場にとってもよくないはずです。
だからこそ、技術者でもPMでもない自分が、どこで役に立てるのかを考える必要があります。その答えの一つが、PMO補佐という立ち位置なのだと思います。
PMO補佐は、情報を整える仕事
PMO補佐という言葉は、少し地味に聞こえるかもしれません。ですが、実際にはかなり大事な仕事だと思います。PMやPMOが判断するためには、前提となる情報が必要です。進捗、課題、未決事項、会議での決定事項、関係者の状況。そうしたものが整理されていなければ、判断も調整も遅れます。
PMO補佐の仕事は、その情報を整えることに近いのだと思います。進捗表を更新する。課題管理表を整理する。会議の議事録を残す。資料の材料を集める。関係者に確認する。抜けている情報を拾う。一つひとつは地味ですが、これが止まるとプロジェクト全体の見通しが悪くなります。
つまりPMO補佐は、プロジェクトの主役ではないかもしれません。ただ、主役が判断しやすいように、現場の状態を見える形にする役割です。私はこの立ち位置なら、これまでの経験とつながる部分があると感じています。
地味な仕事ほど価値を説明しにくい
ただ、この立ち位置には難しさもあります。地味な仕事ほど、職務経歴書や面談で価値を説明しにくいからです。「資料を作りました」「議事録を書きました」「課題表を更新しました」と言うだけでは、単なる作業に見えてしまいます。
でも実際には、その資料が会議で使われていたのか。議事録によって次のアクションが明確になったのか。課題表を更新することで、止まっているものが見えるようになったのか。そこまで説明できなければ、PMO補佐としての価値は伝わりにくいと思います。
48歳で転職活動をしていると、こうした地味な経験をどう言葉にするかがかなり重要になります。派手に盛る必要はありません。ただ、何のためにその作業をしていたのかを説明できるようにしておく必要があります。
補佐だから楽というわけではない
PMO補佐というと、PMや上位PMOより楽に見えるかもしれません。ですが、実際にはそう単純ではないと思います。補佐だからこそ、細かいところに気づく必要があります。誰かが決めたことを正確に残し、担当者に確認し、期限を追い、必要な時には上位者に報告する。地味ですが、かなり神経を使う仕事です。
また、補佐の立場では権限が強いとは限りません。人に依頼することはあっても、強制的に動かす権限はない場合があります。その中で、相手に確認し、協力してもらい、情報を集めなければいけません。
つまりPMO補佐には、細かさと柔らかさの両方が必要なのだと思います。強く出すぎると関係が悪くなる。弱すぎると情報が集まらない。このバランスを取ることも、実務上はかなり大事になりそうです。
介護職で感じた補助する仕事の意味
介護職を経験したことも、補佐という立ち位置を考えるうえで少し影響している気がします。介護の現場では、目立つ仕事ばかりではありません。準備、確認、記録、申し送り、ちょっとした変化への気づき。そうした細かい仕事が積み重なって、現場が回っています。
もちろん、介護職とPMO補佐はまったく別の仕事です。ただ、主役として前に出ることだけが仕事ではないという感覚は、介護職を経験して少し強くなりました。誰かが判断しやすいように情報を残す。次の人が動きやすいように整える。小さな違和感を見逃さない。そうした感覚は、PMO補佐にも少しつながる気がしています。
IT業界を離れた期間を、単なる遠回りとして見ることもできます。でも今は、その期間が仕事を見る目を少し変えたのかもしれないとも感じています。
48歳だからこそ、立ち位置を間違えたくない
若い頃なら、多少背伸びをしてもよかったのかもしれません。やりながら覚える。失敗しても次につなげる。そういう動き方もできたと思います。ですが48歳で転職活動をしている今は、自分の立ち位置を大きく間違えることが少し怖いです。
PMとして入ったのに、実際には全体責任を負いきれない。技術者として入ったのに、技術の深い話についていけない。高単価に惹かれて入ったものの、求められる役割が自分の経験を大きく超えている。そうなると、入った後にかなり苦しくなるはずです。
だからこそ、今は自分がどこで役に立てるのかを現実的に見たいと思っています。PMO補佐という立ち位置は、派手ではありません。でも、自分の経験と無理なくつながる場所としては、かなり現実的な候補なのかもしれません。
補佐役でも、プロジェクトには必要とされる
補佐という言葉には、少し弱い印象があります。ですが、プロジェクトの中で補佐役がいないと、PMやPMOが本来見るべきことに集中できなくなる場合があります。会議の準備、資料の整理、課題の更新、進捗確認、関係者への確認。これらが積み残されると、全体の判断にも影響します。
PMO補佐は、意思決定そのものをする立場ではないかもしれません。ただ、意思決定に必要な材料を整える立場です。そこに価値があるのだと思います。自分を大きく見せすぎず、それでも小さく見せすぎない。そのバランスが大事なのだと感じています。
おわりに
48歳で転職活動をして感じた、PMO補佐という立ち位置。それは、PMでもなく、技術者でもなく、プロジェクトの情報を整え、前に進めるための支援をする役割でした。
この立ち位置は派手ではありません。強い肩書きにも見えにくいです。ですが、進捗や課題、会議、資料、調整といった仕事を通じて、プロジェクトの見通しをよくする役割でもあります。
転職活動を始めた頃は、自分に何ができるのかがよく分かりませんでした。足りないものばかり見えていました。でも案件を見て、面談を受けて、自分の経験を言葉にしようとする中で、少しずつ現実的な立ち位置が見えてきた気がします。
PMO補佐という役割は、今の自分にとって一つの答えではなく、観測中の仮説です。ただ、48歳で転職市場へ戻る今、自分を大きく見せすぎず、しかし役に立てる場所を探すうえで、大事な視点になりそうです。
この記事は
「48歳、転職市場へ戻る」
シリーズの追加記事です。
前の記事
→ 48歳で転職活動をして感じた、調整力という曖昧なスキルの正体
次の記事
→ 48歳で転職活動をして感じた、PMO案件で見られる経験の幅

コメント